鈍足で駆け抜けてく

左手の親指と人差し指で丸をつくって口元へ。そこから深呼吸を吹き込んで、膨らんだのは憂鬱だった。明るい時間にふとんの中で爪と指のすきまを眺めて、窓の外を確かめる。誰かに話しかけることはあまりないよ。空気もそこらじゅうに浮かんで無造作に使い果たせたらいい。繋がりすぎていることにまた、ひいていく。