歌えるくらいに植え込んだ記憶にすこしだけ惑わされながら時間を流して名前を呼ばれた箇所だけやけに存在しないようでまた、前触れがあっても、簡単には忘れないからね。今日が遠いんだ。救出できない。
夜を跨ぐ巨人の足音は雨の粒たちだ。森だけが澄んでいて、湖の上につくられた霧の向こうに私の明日がある。まるで既に知っているようななにかが見付からなくて振り返った。心で掴めたらいいのになあ。