摘めない蓮華草の赤爪

道端の至るところにこんぺいとうが吹き出している。自転車に跨った彼女たち、バイクに座った彼、ハンドルを握るひとたちは銀色の空気の中をいつものように走っていて、まるで歳をとらず、四季を永遠に、ぐるぐると一周しているんじゃないかという感覚に落ちた。暖かさは眩暈だ。相も変わらない。(愛手にもならないらしい)なにから手を付けていいのかさっぱりだ。ああ、ちょっと、僕の切り株に腰を掛けないでよ。