わたしの足は就いていますか

綻びは喜んで侵食した。喜びは綻んで歪曲した。
浴槽の底面で初めて目が遭う。ふと一瞬だけ母親の胎内まで思考ごと戻っていて、もう二度とそうならないために、方法をいつも考えていたのだと仕組みを理解した。ことばの溜まったみずうみをみていた。波止場はすべて壊したくてそうした。白景はどこまでも続いているから、岸は見えなくてそれが海だと思っていた。あまりの空しさに両足がもたついて、だから泳いで渡ることにしたんだろ。