夜中にのどの奥の興奮で目が覚める。起きてしまった。睡眠に失敗した。時刻を見る。まだ二時間しか経っていない。うまく呼吸が流れなくとも涙はするする流れていく。自分のものじゃないみたいに。
「大丈夫よ。」
(何度も固まって、こんなに何度も何度もゆっくり時間をかけてほぐしてもらって、なんてしあわせな不器用人だろう。これを何に変えよう。)
起き上がったら、視界が広くなって、見回したお部屋がいとおしくなった。