2015-08-01から1ヶ月間の記事一覧

台風が通り過ぎた後、灰色の空、アパートの前にできた大きな水たまりの中で一人無表情で遊んでいる女の子、頭上に三角の凧を飛ばしながら走り回って笑う男の子、神社の敷地内に散乱している大木の折れ枝。スーパーのパン売り場にはパンがほとんど残っていな…

見えないものを書いて暮らしでなくなって物の固さがなくなって音がなくなってこれからがなくなって(しまえ)憑依していた。 時計の振り子と秒針のずれ、少しずつ生じる時刻のずれ、手に何か握っていないとだめ、見えないもの、いないはずの見えないものの気…

イヤホンをした耳の外から、雨粒が窓ガラスを叩く音、少しずつ大きくなり、窓を洗っているようで、カーテンの向こうで、ガラスを流れているところの透明さ、に切り替わる、外国のホラーゲームの動画の鮮血、どうしようにないこと、慣れて、馴染んで、詰んで…

睡眠を遂げ、長い夢は溶け、最後のほうで、小窓から脱出して土手へ出たし、追っ手の存在は無くなって、二人がどぶへ飛び込んだのはわざとで、ああ、やっぱり思い出したくないや。(「母方の実家だよ。」と、誰かに言った自分の声) 雨が降る。雷が鳴る。じん…