たまに古いゲーム音が耳の中で流れるようになった。幻聴だろうか。少し前にみた窓からの空は海だった。人の形にみえる雲が流れ崩れていく。視界に入りきらないくらいの虹の端と端を交互にみる。みること。それだけではだめだって、湿気が充満した部屋で渇いた咽が気持ち悪さを伝えてくる。肉体以外が風に吹き飛ばされることを望んでも、だめだって。嵐も海も空に還る、窓の向こう、飛ばされたい。