父方の納骨堂へ車で3分。数段の棚、ガラスの向こうに造花を活ける。あんな壷に入れられるくらいなら自然に還ったほうがいい。病院のおばあちゃんの視線を怪訝そうなものだと受け取る。ごめんなさいを言いそうになる。
母方のおじいちゃんの家へ車で15分。従兄弟たちと、数年前はもっとなんでも気兼ねなく話をしていたのに、今はのっそりとごはんを食べながらぽつぽつ話す。でもとてもおもしろい。母とおばさんの会話がやけに遠くきこえ、父とおじさんの言葉がやけに優しくみえた。いったい私はどちらなんだ、って考えてみた。数学の問題を解くの好きだけど、解けなきゃ教えられないか。