2015-01-01から1年間の記事一覧

こわい こわい レースカーテンの向こうの景色がこわい 家のどこかの窓が開いているのがこわい 外の音がこわい 外のにおいがこわい 時間の経過がこわい こわくないこわくない こわい 自分が消えるまでこわい

雨がしとしと降っていて、うっすらとセミの鳴き声がして、葉に柵に物干し竿に、水滴が付いていて、なんだか発狂しそうだ。

父のうめき声が、イヤホンをしただけの耳にも聞こえてくるくらいの未明。以前に言っていた、悪夢を見ている時だろうか。それ以上は訊くことができない。

単一の綻び 体の要らなさ 続く亀裂 地上をまっぷたつにするためにどこまでも走る 途中で隙間の奈落に君を落として 君はそこへ入り込んだ海と交じる 私はそれを歓喜する 壊れてくあいだ 星のにおいがすればいいのに

梅雨のくもりの朝、まだ誰も起きていない家の中で、同じくらいの小さめの音量の、鳥とかえるの鳴き声を聞きながら少しぼーっとしたあと、マーラーの交響曲第5番アダージェット、リピートしながら、醒めてしまう前に融かそう。

向こうに海が見える道を、海を目指して歩いていたら、道を違えて山が見えてきて、どうして見えているのに間違う?夢。 日中、けたたましいくらいの小鳥たちの鳴き声と、車がたまに通り過ぎる音、工場の機械や農業用車の音を自室の床に座って耳にしながら、窓…

夕方窓を開けたら、室温計の表示が数度下がっていった。風で膨らむレースカーテンにそっとさわる。 薄暗くなりながら、鳥の声が小さくなっていきやがて聞こえなくなって、何をするでもない、自分を、この場所からずっと、ずっと殺したい。

布団を薄手のものに変えたら、穏やかで涼しい海辺を歩く夢をみた。

庭で芍薬にカメラを向けていたら、お隣のおばさんがお庭の花を摘んでらっしゃって、思い切っておはようございますと声をかけたら、それから話を広げてくださってうれしかった。緑もその中の芍薬も鮮やかすぎて、レンズ越しにも目が眩んだ。

4月10日 風の強さ、くもりで薄暗い朝の部屋、花屋さんで青いバラを見た。 4月14日 天気雨のなか、うぐいすの鳴き声が一度、はっきりと美しく響いた。そして再び雨音と脈拍に意識が戻る。 4月23日 両耳に人差し指を突っ込んで聞こえる地響きのようなもの 亡命

もう一度自分に、強さが欲しいかと問いかけた、そうは思わなかった。 夢の中で裸足で外を歩いているのがすごく気持ちいい。土の上、砂利の上、コンクリートの上。 ゆっくりゆっくり朽ちていきたい。

病院の待合室で、男の子が遊んでいたおもちゃのケーキがプラスチックの音をたてて足元へ転がってきて、あわわと拾って、近付いてこられたお母さんの腕だけを視界に入れながら手渡した。(「すみません」「いえいえ」)淡いグリーンのソファーももう寒々しく…

部屋に入ってきたとかげを掃除機で追いかけばらばらに吸い込む場面、パソコンに外国語の広告ウィンドウが出続ける場面、途切れては破裂する夢を脱ぎ捨てて起き上がる。

あちらにもこちらにも腕の中にも猫がいる夢、みずいろの毛の子をみつけて抱き上げ、いつも一緒に眠った。

すばらしいものをみて、それを何度も繰り返しているうちに、このままだとほんとうになにもかかなくてよくなってしまうぞ、というようなものがきてしまって、幸福に降伏に、無責任に死にたい。 明日からも生きていこうと思う習慣がない。もう生きていかれなく…

書いたり殴ったりしている私の詩など、そこらじゅうに貼りつけておけばいいんだ。ただの紙になって、部屋中を埋めつくして、足の踏み場もなくなって、私への呪詛になる。本望だ。

今日見たこと、カフェの隣のテーブルでひとりでチョコレートケーキを食べている女のひと、素敵な革靴、夕陽が当たって少し赤いビル、車の中から見える光って平行に伸びていく飛行機雲、沈む大きな太陽。古着のしゃりっとした青いスカートの生地を揺らして、…

夕飯のあと、テレビの正面で体育座りでうたたねしながらみた夢を忘れた。

はやくあたたかくなって。的外れな願い。色がなくなっていく。視界の彩度が低くなっていく。こわい、薬を飲む。薄らぐ不安の濃霧、晴れない、晴れない、きっとあたたかくなっても晴れない。いつかなにも見えなくなって、真っ暗の中から、手を伸ばすこともや…

布団の洞窟に潜り込んで、携帯の灯りで照らして詩を打つ。 頭の中ぱあんと弾けさせたい。

両親が昔使っていたコンパクトカメラをもらった。説明書がないので、電池を入れていろいろいじってみる。少し前に、亡くなった祖父の持ち物から出てきたカメラも、おばあちゃんから譲ってもらった。おじいちゃんが使ってた、というだけで大切なお守りになっ…

病院の待合室で自分の順番を待っている間、外の光がだんだん弱くなっていくのを、ブラインドから透けた光の模様の濃さで見ていた。隙間から見える木の枝がわずかに揺れている。 診察が終わって、向こうのビルの上の方の一部分が光っているのが、エスカレータ…

夢日記:眠気の反復の中より

枯れ野原を走り回る。背の高い草を避けて、ワンピースをなびかせて、歌うひとの周りを回る。近づいたり遠ざかったり。身軽に。 寺の本堂では一列に並んで礼拝の動作をしていた。最後に皆集まって歌をうたう集団(黒い背景に浮かびあがっている)に加わる。終…